日本でお歳暮の習慣ができたのは室町時代とされていて、江戸時代になると武士や商人が挨拶として品を贈るようになり全国に広まっていきました。現在のようなお歳暮の形になったのは明治30年以降で、そのときから海苔がお歳暮の品として選ばれていました。
その理由は、海苔が希少で高級なものであることや、縁起物とされていたからなどの理由があります。
江戸時代は海苔の生産は不安定でしたが、明治時代には養殖技術が発達し、それでも海苔は貴重品として扱われていたため、高級品としてお歳暮の品として人気がありました。
海苔の生産が不安定だったときには、海苔が手に入るのは運が良いということで、縁起物とされていました。江戸時代は寿命が延びるよう縁起物を食べる習慣があって、縁起物である海苔をお歳暮で贈ることで、「幸運に恵まれますように」という願いが込められていました。
現在でも海苔がお歳暮として向いている理由には、冬が旬であることも挙げられます。海苔は11月から3月までの限られた時期しか採れません。
最初に採れた海苔は「初摘み」と呼ばれていてとても美味しく、お歳暮の品としてはおすすめです。お正月料理にも合わせやすく、おせちやお餅、お雑煮などにもピッタリです。
海苔を朝食などで毎日のよう食べている方も多いと思いますが、高級海苔を自宅用として購入する人が少ないことも、海苔がお歳暮に向いている理由のひとつです。
海苔は好き嫌いされることが少ない食材で、幅広い年代に喜ばれます。お子さんはお歳暮に海苔が届いてがっかりするかもしれませんが、それでも美味しい海苔を食べれば笑顔になれると思います。
日持ちすることも海苔がお歳暮に向いている理由です。海苔は乾燥した食品であり、長期保存ができます。
ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富な食品であり、健康志向が高い方への贈り物にも最適で。日持ちする食品は贈られた方が自分のペースで食べられることから喜んでもらいやすいです。